究極の名橋 錦帯橋
第一章 川と町 第一節 錦川の特性
島根大学生物資源科学部 佐藤裕和 著作その1 12頁
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錦川の特性
1.錦川の概要
錦川は山口県管理の2級河川で、流域面積は焼く889.8平方km、幹川流路は約110.3kmである。年間降水量は1700〜2000mmとわが国の平均程度である。 -
2.錦川の開発と利水
1924(大正13年)年以降、治水・利水の目的で錦川にダムが造られた。 錦川第1発電所、錦川第2発電所、向道ダム、菅野ダム、水越ダム、生見川ダムなどである。 - ダムの写真
- 各ダムの水利権、水利状況、水力発電量
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3. 錦川の水害と治水
向道ダム、菅野ダムの水は、周南市に分水している。ダムを造る前、錦帯橋付近は約40立米/秒の流れであったが、約6.7立米/秒を分水しているので 現在は通常、約33.3立米/秒の流れである。 -
錦川の水害
過去100年間の水害原因は台風が16回、梅雨の長雨10回、梅雨のとき台風が2回、そのほか2回である。 ルース台風の時、臥龍橋付近は約5300立米/秒の激流であったが、現在、 上流のダムで約2000立米/秒を貯水する計画で平瀬ダムを建設中である -
錦帯橋付近は20年に1度位の頻度で、9m〜10mと川の水位が計画水位を超えることがある。
表1.1-4 錦川の主な水害
表1.1-5 洪水調整目的を持つダムの諸元 -
錦帯橋付近のピーク水量
岩国市の記録によると
過去100年間で1位 2005年の台風14号の時、約5300立米/秒の流れでピーク水位は10.02m
過去100年間で2位 1951年のルース台風の時、約4460立米/秒の流れである
建設中の平瀬ダムと、菅野ダム、生見川ダムで水量を調整すると、約1000立米/秒の流れが緩やかになると計画している - 戦後から今までに5000立米/秒を超える流れは2回おきており、今後は気候変動等で更にに起きる可能性もある。 錦川上流でダムを建設中であるが、2005年の台風14号の時に堤防を越えて浸水した南桑地区は堤防を高くしたので、下流域の水量は増える。
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4. 河川空間の利用
遊覧・水遊び・鮎つり・鵜飼・簗など、錦川で遊ぶ人が多い - 錦川流域は米どころではないが、流域内に酒蔵が4つ、流域外に1つある。水質が良いためであろう。 錦川には7つの潜水橋があり、親水文化を象徴している。初代吉川広家が植えた竹林は洪水対策として海外からも視察に来ている。























